斜面林の自然(植物・生き物)調査のとりくみ


2005年  6月3日

斜面林を歩いみませんか  西川先生、横山さんと植物調査

  戸塚南小学校 理科環境委員会 

 理科環境委員会では、6月3日、植物にくわしい西川先生、横山さんと一緒に植物観察をしながら学校南側の斜面林を歩いてみました。
 ここは台地と低地の斜面の斜面林になるそうです。
歩きはじめてすぐ、目にとまったのは太いつたがへびのようにからまっている木でした。この木はムクの木でふじづるがからまっています。それにしても何と太いふじづるでしょう。ムクの木にとってはフジヅルはどういうふうにうつているのか?ムクの木にとってフジヅルはやっかいものでしょうか。フジヅルはなまけて楽しているのでしょうか?いい悪いというのは、人間から見た見方です。いい悪いではなく、植物にはたくさんの「いのち」の形があるということです。そしてそのたくさんの「いのち」たがいに共存しているのが林でもあります。植物だけでなく、虫や鳥もそうです。
 
 すこし歩くとプラタナスの木がありました。この木
は日本名で「すずかけの木」とも呼ばれています。
木道の下の草をぬいてみました。この草は何だかわかりますか。これは大ブタクサです。見沼田んぼであたりでは5mをこえてのびるものもあるそうです。北アメリカからやってきた草で、日本の昔からある草原にどんどんと勢力をのばしています。
 できれば、みなさん目にとまったら少し残して、抜いてあげるといいですね。 
竹は 孟宗竹です。この竹は中国から来た竹で節のところが一重になっています。足下にもブタクサの赤ちゃんがたくさん生えていました。 竹林をすぎると、左から「シラカシ」「コナラ」「エノキ」の木がはえています。
ちょっと面白い名前の草もありました。「ネコハギ」です。「イヌハギ」というのもあります。ネコハギは地面をはってのびています。さわってみると毛が生えていて、ふわっておして気持ちがいいです。  コナラが新しく植えてありますした。雑木林は「シラカシ」、「コナラ」、「エノキ」、 「クヌギ」がおもに多いそうです。
 私たちが住んでいる川口では、人間が手をいれないと「スダジイ」「シラカシ」「ヤブツバキ」が多くなるそうです。
さらに進むと 「ヨウシュヤマゴボウ」がありました。実は紫色で色水遊びができます。
横山さんがおっしゃってましたが、人間には毒だそうです。絶対に食べないでください。
でも、ハトは大好物なんだそうです。
 セイタカアワダチソウもありました。この草も外国からきた草で、強い草でどんどんしげっていきます。
「メマツヨイグサ」がありました。
この木もは「シラカシ」です。さわってみてください。
木肌がざらざらしています。
この草は「タケニグサ」。切ると オレンジの汁がでますが、毒だから気をつけましょう。タケニグサは荒れ地にまず生えてくる強い草です。しかし植物が増えてくるとやがて姿が見えなくなります。荒れ地の開拓者という植物です。
この木は「ハリエンジュ」「ニセアカシア」とも言われ
ます。
やわらかい草で草笛がふけます。横山さんが上手にふいてくれました。
「ハリエンジュ」を見てみてください。これは面白いことに、こんなにたくさんの葉で、一枚の葉なんです。葉のねもとに人間でいうと関節のようなものがあり、ここから下に垂れ下がってたりします。 下を見ると「タラノメ」がありました。5月の連休ごろに実がなりますが、この実はとても高価に売られており、高級料理の材料です。
 
「スダジイ」の木が歩道のすぐそばまで生えています。 これは「ヒサカキ」です。「サカキ」とは種類は正確にはちがいますが、お店ではサカキとして売られていることも多いそうです。
森の次の代の植物もありました。コナラの苗です。 これは背の低い木で「アオキ」です。高木のシラカシやコナラの下に低木のアオキがうっそうとしげると、もう木の下には日があたらなくなってしまい、下草はあまり生えなくなります。
面白い植物がありました。ジャノヒゲです。竜のひげともよばれたりします。蛇にはひげはありませんからね。 この木はミズキです。
ミズキの葉で楽しい遊びができます。 葉のすじがじょうぶなので、切り目を入れてひっぱるとこんなふうになります。
理科環境委員会のみんなでもやってみました。 さらに歩いていくと、またタラノメがありました。もう実は終わっています。
ヒメコウゾという植物がありました。クワににています。葉の形が上と下でちがいます。
 まちがってカイコに食べさせるとカイコは死んでしまいます。
これはアカメガシワです。
この葉もおもしろい。ヌルデです。           
この木もたくさんの葉で一枚の葉です。よくみると枝の部分にも葉がついています。
 クサギもありました。
 このアカメガシワ、ヌルデ、クサギは 林のふちのまわりに生えることが多いそうです。林をマントのようにおおうのでマント群落ともよばれています。
れはムクの木です。この葉はさわるとざらざらしていて、木製品を昔は、この葉を紙ヤスリがわりにしてみがいたそうです。
林のはじのほうまで歩いてみました。はじに面白い木がありました。見てください。なにか枝からつりさがっています。この木は「アカシデ」といいます。イヌシデも横にはえていました。先のほうの枝が赤くなっているのが「アカシデ」です。
このたれさがったものは「アカシデ」の種だそうです。面白いですね。 林のはじの奥に、立ち姿の美しい木が隠れていました。西川先生も横山さんも思わず「すばらしい木ですね!」と声をあげていました。この木は イヌザクラです。今はたいへん貴重な木だそうです。川口市のなかで天然記念物になってよいような木だということでした。「素晴らしい木がある」と西川先生はさっそく市の方に、横山さんは市長さんにメールされていました。
 その後、市内で157番目の保存樹木にイヌザクラ
は指定されました。
 イヌザクラ 大発見でした!




2005年 11月11日 

  秋の斜面林を調べよう

夏の調査に続いて、秋の斜面林を調べました
。また西川先生にきていただきました。

理科環境委員会のメンバーは、探検バッグにメモ帳、それから地面に何か落ちているかも知れないということでビニール袋をもって調査にでかけました。
校庭の向こうにみえる斜面林はところどころ紅葉し
ています。
左に見えるプラタナスは黄色く、右のトウカエデは赤く紅葉しています。
葉の形に気をつけると植物の種類もわかります。左側の葉がプラタナス。右側がトウカエデの葉です。
公園にはいるところに黄色い花がさいています。臭い
をかぐととてもいいにおいがしました。
 
子どもたちからは「バニラのにおいだ!」という声があがりました。
   この植物の名前はイヌキクイモといいます。イヌがついていますが、イヌがつくのはたいてい役に立たないとか、食べられないとかという意味でつけられています。
 少しあるくと枯れかけたイヌキクイモがあったので抜いて根を調べてみました。
 
イヌキクイモという名前の通り、根をほるとイモができていました。このイモはジャガイモのようなデンプンとはちがいイヌリンがふくまれています。食べようと思えば食べられるそうです。
少し歩くとイヌホオズキがありました。 黒い小さな実です。
これはイヌタデ。これもイヌがついています。よくアカマンマとも言われています。小さい子がおままごとによく使ったりしたものです。とちゅうイヌタデと同じような色、形をした大きいのもありました。これはオオケタデといいます。 の花はベニバナボロギクです。アフリカ原産の花です。日本には戦後にはいって、あっという間にひろがりました。
赤い実がありました。これはヒヨドリジョウゴです。ヒヨドリが食べるところからこの名がつきました。 人間には食べると毒ですから絶対に食べないでください。見た目は全然ちがいますがナスの仲間なんだそうです。花がナスの花に似ていてかわいい花が咲きます。
どちらもハルノノゲシです。 白いのはとてもめずらしいそうです
これはイノコヅチです。イノコヅチにはヒナタイノコヅチとヒカゲイノコヅチとありますが、ヒナタイノコヅチです。 服につけてこするとすぐにつきます。
これはヒメムカシヨモギです。 これはアメリカオニアザミ。アメリカからつたわった帰化植物です。最近川口で増えているそうです。オニは大きいという意味で植物の名前にはつきます
これはアカツメクサ。白いのはシロツメクサ。クローバーです。    ドングリがいっぱい落ちています。
これはシラカシの実です。
この二つの葉は左側がクサギ。右がアカメガシワです。よく似ていますが、形がちょっと違います。クサギはにおいをかぐとちょっとくさいのでクサギという名前がつきました。 みんなでかいでみました。でも、それほど変なにおいではありません。
シイの実(スダジイ)が落ちていました。 シラカシの実にくらべて先がとがっています。
左がキンエノコログサで右がアキノエノコログサです。毛のまわりの色がちがいます。
夏にあるのがエノコログサです。エノコログサは子犬のしっぽににていることから「いぬころ草」とよばれたことがはじまりと言われています。ネコジャラシともよばれています。
シラカシの木はだはざらざらしています。 シラカシのそばにたくさんシラカシの実が落ちています。
これは大きなスダジイです。足もとにはシイの実がいっぱいです。 カラスウリがありました。赤いのも…
緑色のものもありました。 これはイヌシデの実です。実には葉がついていて、空になげるとくるくると回って落ちてきます。
これはメマツヨイグサの種です。夏にしげっていたメマツヨイグサは種をつけ、今は冬じたくをしています。 春を待つメマツヨイグサの今のすがたです。こうした植物の冬ごしの形をロゼットといいます。ロゼットとは「小さなバラ」という意味です。茎がなく葉が地面にへばりつくようになっています。
となりの公園予定地にもいってみました。木にはってのびているフユヅタがありました。

フユヅタはフジツルのように木にからむのではなく、木にくっついて伸びていきます。奥の木にはたくさんフユヅタがからんでいました。
夏の観察の時に見つかったイヌザクラです。川口市の保存樹木ともなりました。見れば見るほど立派な木ですね。




  2008年 1月24日

  冬の斜面林を調べよう

   
 3学期「ぐんぐんドリーム」の時間です。斜面林攻略のグループで斜面林の植物を調べました。今回の講師は川口植物の会会長の西川昭三先生をお招きしました。
 西川先生、よろしくお願いします。先生も子どもたちも強風のなか、震えながらの観察がはじまりました。
まず、遠くから斜面林を見てみよう!
すると、いろいろな木があります。
葉の落ちた木、 葉のついている木
真っ黒な木も! そして、なにかゲジゲジのような木も!
 
   
 どうしてそういう違いがあるのか、近くまで見に行って調べようということでスタートしました!斜面林(カブト林)を歩いて行くと、竹林のなかにヒイラギがありました。  さっそくヒイラギのとがったところを指ではさんで息をふきかけるとくるくると回りました。
   
 もう少し竹林を歩くと、葉の裏が白い、シロダモが見つかりました。しかし竹林のなかの小さなシロダモの苗が育つのは難しいです。なぜなら日があまり入ってこないからです。 もう少し歩くと、くさった木が見つかりました。これはシロアリが食べたんですね。木には年輪で堅いところ、やわらかいところがあります。シロアリややわらかいところから食べます。。 
   
 だから、横から見ると食べられた木はバームクーヘンみたいになっていました  さらに歩くとヤツデがありました。最近の川口の雑木林を歩いてみるとヤツデが増えているそうです。西川先生はこれも温暖化の影響かもしれませんねと心配されていました。
   
 さらに歩くとナツヅタがからんだスダジイの木がありました。葉がついているのはフユヅタだそうです。
 
すぐそばに、先ほどあったシロダモの大きくなった苗がありました。 
 
橋の裏にはタラの木がありました。タラの芽は天ぷらにして食べるとおいしいんですよ。   さらに進むとシュロがありました。やはり、これも温暖化のせいでしょうか。最近雑木林に増えているそうです。
   
 ちょうど、このあたりが竹林の終わり。かなり竹が増えています。この竹は白い粉をふいていますが、これは1年目の竹の証拠です。たった一年でこんなに竹は大きく、太くなるんですね。  このあたりはキンモクセイがありますが、どうも竹に負けてしまっています。竹を刈ったほうがいいという話でした。

   
 これはシラカシの木。さわると木肌がざらざらしています。
 遠くから見える黒い木はこのシラカシだったんです。冬でも葉がうっそうとしげっています。
 
   
 アオキです。コーヒー豆のような青い実がついています。かじってみたら…苦かったです。  木にからんでいるツタ、これはフユヅタです。フユヅタ葉がついています。ゲジゲジのような木に見えたのはこのフユヅタのせいだったんですね。
   
 これはフジヅル。とても太いですね。ターザンごっこにもってこいでした。
 ツルのなかを見ると、真ん中に穴があいています。ここを水がとおって吸い上げられているんですね。しかし、あんなに高くまで水が吸い上げられるとは不思議ですね。
   
 帰り道、カブト虫の飼育箱のそばでハコベを見つけました。春の七草で食べられます。  最後に西川先生と記念写真をとりました!





  2009年 9月21日

 西川先生をお迎えして 竹の間伐の準備!    9月21日

川口植物の会会長の西川先生に竹の間伐の準備で、どういう竹を間伐すればよいか選んでもらうことになりました。

西川先生のお話を聞きながら斜面林
(カブト林)にむかいました。
竹は密集して生えていて、光があまり入りません。光が入らなければ、竹は竹林の外へ根を生やして、樹木をだめにしてしまいます。
竹の成長は早く、あっとういう間に樹木を
ぬいて、樹木の光をさえぎってしまいます。
白いろうがついている竹はまだ新しい。竹の根元に皮があるものも今年の竹だそうです。黄色くなった竹はもう時間がたち、切ったほういいということでした。また密集して生えているところは間引きします。目印にテープをまいていきました。全部で200本の竹に目印をつけました。
テープをまいた後、カブト林で椎の実さが
しをしました。
とれた椎のみです。そのままでも食べられます。いって食べると香ばしくて最高です!
カブトムシの飼育箱にいくと、たくさんのコナ
ラの葉が落ちています。よく見ると、実と葉が
ついたものがあります。地面を見るといっぱい
ありました。この日、応援にかけつけてくれた
川口市公園緑地公社の吉野さんからお話を
聞きました。
これは、ハイイロチョッキリという甲虫のし
わざです。コナラの実をよく見ると、小さな穴があいています。この昆虫は8月末から9月にかけてコナラなどのドングリに産卵します。産卵した後にドングリの小枝ごとかみ切って落してしまうのです。なかでは、しっかりと赤ちゃんが育つというわけです。
秋のカブト林散策でちょっとした発見でした。

やまびこネット ハイイロチョッキリ 
http://www.j-muse.or.jp/tamatebako/konchu/cb11/index.html
この日、ほぼ完成した学校ビオトープを見学しました。
これからハンノキ、アカメヤナギなどを植樹して完成する
予定です。



 2011年 4月26日

 4月26日(火)西川先生と春の斜面林観察

  西川先生をお迎えして、自然たんけんクラブで春の斜面林の観察を行いました。
  リンクはウィキベディアにつながっています。

今日は第一回目の自然たんけんクラブ。
川口植物の会会長の西川先生をお迎えして、斜面林
観察をしました。
さっそくカブト林(斜面林)に行きました。
さっそく西川先生が、ミズキの葉でなにやら…始めま
した。
あれ?葉が切れてるけど… つながってる!
アップするとこうなっています。葉脈がすじのようにの
びていて、葉をつなげています。
斜面林の上にあがりました。ふだんは、ここは登るの
は禁止です!
これはヤブカンゾウです。別名はワスレグサともいい
ます。夏にオレンジ色の花が咲きます。
食用にもなります。
これはスギナ。どこどこつないだ…という遊びがあり
ます。
上をひっぱって切って、またもとにもどすと、どこをつ
ないだかよくわかないので、どこかあてる遊びです。
ツクシが大きくなってスギナになります。
これがミズキの木です。
ミズキの葉をみんなで遊んでみました。 この小さなかわいい花を見つけました。
この花はキュウリグサです。葉をもむとキュウリの
においがすることから名前がつきました。
アメリカオニアザミです。これは「とげ」がかたくて
ささるととても痛いです。西川先生がカマですぐに
刈ってくれました。
クビキリギリスを発見! タケノコも発見しました。今日はタケノコの成長ぶり
も観察しにきました。29日(金)には戸塚南小エコ
クラブ恒例のタケノコ掘りです。
今年は気温が低かったので、ちょっと成長が遅い
ようです。29日にたくさん採れるとよいですね。
カナヘビもあらわれました。
この木はクサギです。 クサギの葉を手にとると西川先生が手でもみはじめ
「このにおいをかいでごらん!」と子どもたちに声を
かけました。
うわ…くさ! そう、くさいかな?だからクサギ!(笑)花はとてもい
いにおいがします。夏には赤い実がなります。葉はゆでれば食べられます。
ユズリハの木がありました。 ウマノスズクサがありました。ジャコウアゲハの食草
です。
ハルジオンです。ヒメジョオンとよくにています。
ヒメオドリコソウです。もう少しでうす紫の花がさきます 上の公園にあがるとドウダンツツジが咲いています。
ドウダンツツジは秋には紅葉します。
花の蜜がほんのり甘く、なめるとおいしい! みんな「ほんとだ!甘い!」と言いながら、なめてい
ました。
杉がありました。花粉はもうで終わったのか… 杉の実がありました。中には種がはいっています。
シラカシの木にツルがまきついています。
上がフジ、下にあるのがツタです。
アオキです。 アオキには雄花と雌花があります。メシベがあるの
が雌花ですね。雌花に実がなります。
シュロの木です。この木の皮からシュロ縄がつくられ
ます。戸塚南小名物「竹ぽっくり」にいつもシュロ縄を
使っています。
ヌルデがありました。クサギもヌルデも林のへりに
よく出る植物です。
タケノコがけっこうありました!
いよいよ観察の時間も終わりです。 石垣たんけんになってます!
その石垣の下にタケニグサが生えています。 茎を切ると、オレンジ色が液が出てきました。
この液は毒でかぶれることもあるので気をつけてくだ
さい。
 

   2012 2月18日

  斜面林フォーラムに向けて   植樹調査 2月18日(土)

 斜面林フォーラムを2月25日に予定しています。この日にはフィールドワーク、フォーラム(講演会等)、竹とんぼ遊び
植樹、井戸通水式、アカガエル放流などを予定しています。
 今日、2月18日(土)は、そのための事前植樹調査ということで、西川先生、横山先生をお迎えして斜面林の植物調査
を中心にフィールドワークを行いました。
 植物調べや、草花遊びをしながら、斜面林をどんな林に育てていきたいのか、そのためには何をすればよいのか、ど
んな植樹をしていけばよいのか考えていきました。

斜面林植物調査の開始です。参加者約20名 この実はなんだか分かりますか。
ヤツデです ヤツデですから葉は8枚となると思いますが、中心に
葉がありますから奇数になりますね。たいてい植物
の葉は奇数枚であることが多いです。ヤツデも9枚
から7枚が多いです。ヤツデと八をつけるのは、末広がりになるということで、昔の人の願いがあるのでしょう。
ヤツデに枝をひっかけると…ぴょんととびます!
爪でもひっかければとびます
面白そう!…ということで、さっそくヤツデの実とり
これはニッケイです。ニッキの味がします。アオスジ
アゲハの食草です
手でもみながら鼻を向けると、いいにおいがします
これはイノコヅチです。 そのまま服につけてもくっつき虫になります
ひっぱると服がイノコヅチだらけになりますよ。 これはツバキの葉。葉で西川先生が何かつくって
います…
何と!… ぞうりです 誰かぞうりをぬいで、斜面林で遊んでいます
森の妖精かな?
クサギの枝を西川先生がひろってくれました よく見ると、面白いもようがあります。葉のとれた痕、葉痕(ようこん)です。クルミの木の葉痕はおさるの
顔をしていてかわいいです。
ヤマブキがありました ヤマブキの茎をむいていくと、白いものが出てきます
今でいうと、発砲スチロールのようなものです
昔はこれでやまぶきでっぽうを作ったそうです
スギです これがスギのおしべで、ここからスギ花粉が飛び出し
ます
これはスギの実です。
アオキにはオスの木とメスの木があります
コーヒー豆のような実がつくのがメスの木です
むくと、きれいなピーナッツみたいです
これはヒサカキです。神社で玉串に使うのはホンサカ
ですが、街中ではサカキといえばヒサカキが使われ
ています
ちょっと面白い斑入りの葉がありました
 フィールドワークを終えて、来週予定している植樹に
ついて話し合いました。
 どんな木を植樹するかと考えるには、斜面林をどん
な林にするかということをまず考えなくてはなりません。
 西川先生からは、里山の一部の雑木林、その雑木林
の一部として斜面林が今に残っています。
 雑木林は江戸時代は生活するための薪や堆肥などを
とるための資源の場ともなっていました。雑木林は、
自然林ではなく、人が手を加えた二次林です。しかし長
い年月のなか、その生態系のなかで、様々な動植物が
生息してきました。
 江戸時代の雑木林をそのままに復元するという考えもありますが、平成のこの時代の雑木林を考えても
よいのではないでしょうか
 。
 鳥やカエルなどが生息できる生態系をもつ森。
 カブトムシや蝶が生息できる森。
 子ども達が様々に遊ぶ、自然とふれあえることがで
 きる森。
 植物観察が様々にできる森

 斜面林には竹林がありますが、竹が竹林ゾーンを越えて伸び始めています。このままでは、樹木を荒らしてしまいます。樹木ゾーンの竹林は間伐する必要が
あるでしょう。
 竹を間伐して、適度に光りが入った森に、どのような
植物が芽を出してくるか、これも観察してみたいものです。

話し合いを終えて、階段を下りてわき水池にやってき
ました
網をかけて見ると…
いました、いました!ヤゴがいます かわいいトンボの赤ちゃんです
元気にトンボになるといいですね そしてミズムシがいました。ミズムシといっても足に
いるのではありません。ちょうどこうした池ではダンゴ
ムシのような役割をしています。落ち葉を分解してくれ
るのです。
クロガネモチの赤い実がありました 道路にそって植えられています。しかし道路のクロガネモチを見ても赤い実は見ることができません。
鳥たちのごはんになったんですね!


2012年 2月25日
   10時〜12時  斜面林フィールドワーク(植物調査) 講師 西川 昭三 先生

朝10時児童館あすぱるの子ども達と戸塚南小エコ
クラブの子ども達が合流して、フィールドワークがス
タートしました。
正門を出てすぐのところで、面白いものがありました
ツルマメです。ツルマメはさやが左右にねじれ開き
種をとばします。そのさやは雨にぬれると、もとのま
っすぐな形にもどっていsます。
これはダイズの原種になります。人間が何百年もかけ
て、このツルマメから品種改良してダイズになったそう
です。
この植物はヒュウガミズキです 桃色に芽吹いています
下っていくとあるのはユキヤナギです 道路沿いに斜面林に向かいました
斜面林の池のところにあるフジヅルです。何とも立派
ですね。西川先生によれば、ツル植物というのは植
物の進化した「いのちの形」だそうです。自分だけで
20mも伸びようとすると茎が太くなくてはなりません。
しかし、ツル植物は他の植物の助けを借りながら伸
びていくわけです。ただ…欠点があります。根元の茎
が切られると全滅してしましまいます。
フジヅルの左にあるのは…ツバキ?サザンカ?
これはサザンカです。サザンカは花びらが一枚一枚
落ちるのが特徴です。
斜面林に生えているはマダケ。こちらは節が2重。
孟宗竹は1重です。
そして孟宗竹です。孟宗竹の名前の由来は中国で
孟宗という孝行息子が冬に病気の親が食べたいとい
タケノコをさがしにいって見つけたというお話がありま
す。そのタケノコを戸塚南小エコクラブでは毎年4月に
いただいているわけですね。
フジヅルの種のさやです。大きいですね。 これはツバキの実です。
この竹はアズマネザサです。斜面林には4種類の
竹があります。他にマダケにモウソウチクにハチク
です。このなかで上下の茎の太さが変わらないマダケ
がものほしざおに使われています。
太いのがモウソウチクと思いますが。細くても1重の
もの(左黄色)は、やはりモウソウチクです。黄色いの
は古い証拠です。今年生えた竹にはろうがついてい
ます。(右の竹)
竹林の中に樹木があります。竹がもともと生えている
ところに木が育つことはありません。つまり、この木
の出た後から竹がひろがったことになります。
竹の生長は早く、あっという間に木の背丈をこえて
光をうばってしまいます。これはクヌギですが、かわい
そうですね。これから竹林ゾーン以外、樹木ゾーンに
ひろがった竹を伐採したほうがいいというのが西川先
生の意見でした。
ホトケノザがありました。 このホトケノザは春の七草のホトケノザとは違います。
現代のホトケノザです。春の七草にあげられているの
はコオニタビラコです。
西川先生の左手にあるのはアメリカフウロです。
ゲンノショウコのにています。
これはスギの実です。
これはニッケイです。もむといいにおいがします。
ニッキ、シナモンの香りです。京都の八つ橋にも使わ
れています。
ニッケイは三本の葉脈が特徴です。
これはスギの雄花の穂です。 黄色い花粉がここから散らばります。花粉症の人
は大敵ですね。
サザンカの仲間でカンツバキです。冬真っ盛りに咲く
ツバキということでしょうか。
クサイチゴがありました。
クサイチゴは木イチゴの一つです(?)面白いですね クサギです。クサギの葉痕(ようこん)も面白い形を
しています。
西川先生がセンダンの木をもってきてくれました。
センダンの木も面白い葉痕があります。木が大きく
なると、その形は横に伸びます。
手前がツバキで奥がカンツバキです。
これはヤツデです。 西川先生がなにやら白いものを胸のポケットから
取りだしました。
白いものヤツデの実をひっかけてぴょんと飛ばしま
した!写真クリック動画 草花遊び ヤツデ
子どもたちもさっそくやりはじめました。
うまく、とばせるかな!? これはヤマノイモの実です
シラカシです どんぐりのぼうしがいっぱいです。シラカシですが、
シラカシのぼうし(殻斗 かくと)は何重にも線がはい
っています。
この赤い木はミズキです。冬寒いときほど赤く色づく
ようできれいです。
このミズキの枝で「オオバコの相撲」のように「ミズキ
相撲」ができます。写真クリック動画
さて、今日の植物調査も終わりに近づきました。
これは川口の保存樹木に指定されたイヌザクラの
木です。開校7年前の西川先生との植物観察会で
見つかりました。
大きな、立派なイヌザクラです。 イヌザクラを見た帰りり、上を見上げるとキクラゲが
ありました!
谷川さんが、持っていた傘でゲット! おいしそうなキクラゲです。

 2012年  4月19日(金)

  春の斜面林調査 講師 西川昭三先生  自然たんけんクラブ
 

4月19日(金)今年度初めてのクラブが始まりました。新しい4年生が加わりました。
今回は自然たんけんクラブの子どもたちと斜面林を調査しました。講師はおなじみ西川昭三先生です。

第1回自然たんけんクラブが始まりました。集合は
斜面林の東屋です。
講師は川口植物の会、会長の西川昭三先生です
ちょうど、この時間に竹とんぼ名人の小峰さんもいら
していました。今度、小峰先生に竹とんぼを教えても
らいましょう。
西川先生のお話しが始まりました。
春、花のいい季節ですね。これからこの斜面林で、
何でもよいから花をさがしてみてください。
こうして子ども達が花をさがし始めました。
子どもたちが、次々と花をもってきては…   西川先生に質問ぜめです!
でも、西川先生は子どもたちのどんな質問にも答えて
くれます。
 この青いきれいな花は? 子どもたちからは「オオイヌノフグリ!」と声があがり
ます。よく知っていますね。
4年生から「国語で春の詩であったね。イヌノフグリ」
と声があがりました。草野心平さんの有名な詩です。
詩にあるのはイヌノフグリ。イヌノフグリは川口にはあり
ません。東北のほうには見られるそうです。
 
   
 「西川先生この花は?」  これはキュリグサです。これはもむとキュウリのような
においがしてきます。
 ほんとだ!キュウリのにおいがする  イヌノフグリとキュウリグサ、青紫の花がにていて
きれいですね。
   
この青い花は、タチイヌノフグリです。   オオイヌノフグリよりも小さいですね。
名前のとおり、まっすぐ立っているそうです。イヌノフグリ
は茎がすこしねています。
   
 二つならべてみました。  左がオオイヌノフグリ、右がタチイヌノフグリ。
これはアセビです。斜面林の道ぞいに植わっていま
す。漢字で書くと「馬酔木」です。有毒植物で毒がある
ので馬が食べるとふらふらと酔うのでしょうか?
右はドウダンツツジの花。同じようでもちょっと違い
ます。
これはタネツケバナです。この花がさくころには田に
籾(もみ)をまくのでこういう名前がつきました。
タネツケバナは花びらが4枚。
4枚の花って知ってますか?
子どもたちからは「アブラナ」「大根」「キャベツ」「ナズナ」
そうです。みなアブラナ科の植物で花は4枚が特徴で
す。
これはホトケノザ   ホトケノザの花です。きれいですね。
花をつまんで吸うとミツがあった甘くておいしいですよ
さっそく挑戦!おいしい! これはヒメオドリコソウです。これも紫のきれいな花
ですね。ホトケノザもヒメオドリコソウも茎が四角です。
これはシソ科の特徴です。
 これはカラスノエンドウです。  カラスノエンドウはこれで1枚の葉なんです。
先にはまきひげがついています。
   
 カラスノエンドウの根には小さなつぶつぶがいっぱい。
ここには根粒菌(こんりゅうきん)がいて、空気中の
窒素を空気からとりいれています。土をよくしてくれる
んですね。
 ちょっとおもしろい植物をみつけました!
   
西川先生がそれぞれを切って、服につけると… くっつき虫になりました。すてきなペンダントですね。
小さなとげがあるので服につきます。
ヤエムグラです。
これはヤツデ。 下を見ると…タケノコが顔を出していました!
ノビルを見つけました。小さならっきょうみたいですね。
食べられます。
このとげとげの葉は…
タラの芽です。 天ぷらにするとおいしいですね。
ツバキの花です。ツバキの花です。サザンカとにてい
ます。サザンカは花びらが一枚一枚落ちますが、ツバキ
はそのまま落ちます。
ツバキの花を開くとその理由がわかります。
見てください。びっしと花びらにおしべがついています。
とちゅう井戸のそばによりました。 見ると… ヒキガエルの卵が産まれています!
このソーセージのようなのがそうです。
ちょっとすくって見ました。 これがそうですね。土がついているけれど、元気です
そして、橋の向こうをみると… 何と、またアカガエルのタマゴが産まれていました!
かたまって産まれているのがアカガエルのタマゴです 2年前に育てたアカガエルがかなり無事親になって
斜面林にすんでいることがわかりますね。
橋のむこうは水が涸れてしまうので、井戸のあるほうに
卵を移すことにしました。
網でやさしくすくいます
これはヒキガエルの卵です。 カエルの卵救出作戦も終えて、学校にもどります。
楽しい時間はあっという間でした。
これからも斜面林の植物、生き物と仲良くなってくださ
いね。
西川先生、ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。


 
 2012年 8月30日 校内研修で斜面林を調査しました 

 8月30日(木)戸塚南小学校の校内研修で斜面林のフィールドワークを行いました。
 講師はいつもお世話になっている、川口植物の会会長 西川昭三先生 環境アドバイザー、自然観察員 横山隆先生です。

  西川先生のレジュメです





西川先生からは、「斜面林を今に生かす」というテーマ
でお話をいただきました。開校の年の17年度に西川
先生に斜面林を歩いていただき保存樹木157番目と
なるイヌザクラの大木を環境委員会の子どもたちと発
見しました。
斜面林は宅地開発から残された里山のなかの一部
ですが、今では貴重な地域の自然となっています。
斜面林は街の「文化財」だというのが西川先生の持論
です。
続いて横山先生のお話です。今年度、横山先生には
3年生の総合で斜面林の生き物調査でゲストティー
チャーにはいっていただいています。
子どもたちとの授業の様子を、記録を通してお話し
ていただきました。お話の後、すぐにフィールドワーク
に外にでました。
学校校門前の街路樹です。これはクロガネモチです。
トチノキの仲間です。モチとありあますが、昔はトリモチ
をとったそうです。
駐車場前の生け垣です。ここには雑草にも見えますが
ウマノスズクサがあります。ウマノスズクサの花は臭い
においを出して、花のなかに虫を集めて受粉させます。
花を見つけて… 中をわってみると 小さなコバエがたくさん中にいて、先生方もびっくり
していました。
このウマノスズクサはジャコウアゲハの食草です。 横を見ると、かわいい紫の花が咲いています
これはツルマメです。大豆の原種となる植物です ツルマメと一緒に咲いている白い花は
ガガイモの花です。 反対側には似ている植物ですが、
右側がオオアレノギク、左側がヒメムカシヨモギです 斜面林につくまえだけでも、いろいろな植物と出会い
ました。
斜面林の上は台地となります。 大宮台地鳩ヶ谷支台となります。台地の傾斜はかなり
あり、安行ではがけくずれが起き
ています。
カナヘビがいました。この斜面林にはニホントカゲ
もいます。
カナヘビです
センニンソウの花が咲いています 水路ぞいにミズキがありました。
このミズキで草花遊びができます 葉脈だけを残して、こんなふうに葉がつながっています
昔はイトツリッパなどとよんだようです。
ここは竹林ゾーン。孟宗竹が生えています。 黄色ものは時間がたっています。白い粉でろうがふい
ているものは今年育った竹です。
ヤブガラシの花。オレンジは蜜があり、よく虫が蜜を
すっています。
横山先生がトンボをつかまえました
トンバは羽をおさえていると、しばらく飛ぶことができ
ません。
しばらく手にとまってから飛び立ちました。
ノシメトンボです。
公園のこの場所は、わざと草を残してもらっています
ここで、さまざまなバッタを見ることができます
横山先生があみをふると…
いましたいました。ショウリョウバッタです。チキチキと
鳴く(オス)ので、チキチキバッタともいいます。
オンブバッタもいました。オンブバッタとショウリョウバ
ッタは似ていますが、オンブバッタは後ろ足を立てて
いません。
生け垣に校章になっているカタバミがありました カタバミです。
カタバミのそばにたくさんヤマトシジミがとんでいまし
た。ヤマトシジミの食草がカタバミです。
カタバミを食べた後がありました。
ヤマトシジミが飛んできました。 ヤマトシジミです。
斜面林の奥にある、これがイヌザクラです。
川口では157番目の保存樹木です。
フィールドワークはあっという間に終わってしまいまし
た。ふだんよく見ているつもりの斜面林ですが、実に
豊かな姿が見えてくるものですね。この場所にはアカガ
エルもいました。斜面林にはヒキガエル、アマガエル、
アカガエルがいます。これだけのカエルがいるのもとて
も貴重です。
帰り道、セミの声がひびいていました。 上がミンミンゼミで、下がアブラゼミでした