暦は3月に入りました。2月の後半から下台斜面林の水路でもアカガエルの産卵が始まり下の池や井戸の上流でもちらほら卵塊が見られる様になってきました。という訳で、3月最初のあすぱる自然観察会は、「アカガエルの卵調べ」となりました。斜面林だけでなく、学校ビオトープや屋上ビオトープも確認してみます。朝10時に、児童館あすぱるの多目的室に集合しました。
活動の最初は、「アカガエルと井戸掘りプロジェクト」の紙芝居です。戸塚下台のアカガエル再生プロジェクトは5年前に始まりました。月日が流れて今ではなぜ戸塚下台でアカガエルを大切にしているのかを知らない人達も増えて来ています。「アカガエルと井戸掘りプロジェクト」の紙芝居は戸塚南小学校の生徒さん達の下台斜面林での活動の様子や、その思いが良くわかります。紙芝居のあと、いよいよ卵を調べに出発です。まずは屋上ビオトープに行きました。屋上ビオトープは3年前に当時の戸塚南小の自然探検クラブ、エコクラブの生徒さん達が作りあげました。どれくらいの卵が生まれているか数えたところ、なんと12コの卵塊が確認できました。戸塚南小の屋上ビオトープは、学校ファームともつながっているのでアカガエルが生きて行くのに適しているのでしょうか。保護したアカガエルも屋上ビオトープに放してあげました。次に地上に下りて学校ビオトープを見てみます。学校ビオトープは今年一番早く産卵が確認できた場所です。みんなで探した結果、5コの卵塊を確認できました。ちょっと少ない感じもしましたが、学校ビオトープは斜面林に近いこともあって、成長したアカガエルたちは斜面林に移動してしまう場合もあります。それでもビオトープを自分の場所として生きて行くアカガエルもいます。確認できた卵塊はビオトープを住み処にしているアカガエルたちのものなのでしょう。どうか元気に生きて行って下さいね。さて、ここまで17コの卵塊を確認できました。いよいよ斜面林の調査です。井戸に電動ポンプが設置されて以来、初めての産卵です。結果はすごいもので、井戸の上流から下の池まで合わせて75コの卵塊が確認できました。アカガエルプロジェクトが始まって以来もっとも多い数です。調査も終わり、今年も沢山の産卵を確認できてみんな喜んだのですが、自然観察指導員の横山さんから問題提起がありました。「この森の広さに対してアカガエルがちょっと多すぎるね.生態系のバランスをとる為にも、何か次の行動を考えよう。」子供たちの間でいろいろな意見が出てきました。「ヘビをつれてくる。」、「鳥の巣箱をあちこちにおいて野鳥を呼ぼう。」、「田んぼを作ろう」などなどです。下台斜面林は公園の一部なので、出来ることにも制限があって、なかなか全てを実現することは難しいかと思います。でもそんな大人の事情をすっ飛ばした、子供たちの考えには本当に圧倒されます。これからどんな形で斜面林が変わって行くのでしょうか。変えて行くのも、変えないで行くのも大人の役目です。
植物も動物も生き生きとしていて、子供たちの笑顔と歓声が響くような、そんな森になってほしいなぁと思いました。

エコクラブサポーター: 岩川 記

Comments are closed.

Post Navigation